【温泉豆知識】お風呂で飲酒はOK?NG?
温泉にゆったり浸かりながら眺める絶景は至福の時。
そんなときに”お酒”が欲しくなるという方もいるのではないだろうか。
最近は宿泊施設の部屋に露天風呂が付いていることも多く、その人気も高い。
カップルや友人と行った温泉でのリラックスタイム。
湯けむりの中、日本酒をおちょこで乾杯…なんて画を思い浮かべる人も多いのでは?
しかし、湯船に浸かりながらお酒を飲むのは大丈夫なのだろうか。
今回は、温泉でしてはいけないことと合わせてまとめていきたい。
温泉でしてはいけないこと・気をつけること
温泉に禁止行為などが書かれている看板や注意書きを見たことがあるかと思うが、今回はそこから考察していきたい。
入浴前の注意
- 食事の直前、直後及び飲酒後の入浴は避けること。酩酊状態での入浴は特に避けること。
- 過度の疲労時には身体を休めること。
- 運動後30分程度の間は身体を休めること。
- 高齢者、子供及び身体の不自由な人は、1人での入浴は避けることが望ましいこと。
- 浴槽に入る前に、手足から掛け湯をして温度に慣らすとともに、身体を洗い流すこと。
- 入浴時、特に起床直後の入浴時などは脱水症状等にならないよう、あらかじめコップ一杯程度の水分を補給しておくこと。
媒体名:日本温泉協会 温泉名人
引用先:https://www.spa.or.jp/onsen/1632/
(スーパー銭湯など、場所によってはそもそも飲食物の持ち込みが禁止されている場合もある)
ここでは避けることと明記しているが、飲酒後の入浴はお断りとしている場所もあるくらい危険なようだ。
一般的な温泉の効果
では、なぜ食事の直前・直後に飲酒は控えた方が良いのだろうか。
一般的に温泉は体を温め血行が良くなり、体が温まることで発汗を促す効果がある。
また温泉に入浴することで副交感神経が優位に立ち、全身がリラックスする。
この点に関しては成分由来のものというよりも、そもそもの温度が体温よりやや高い37〜40℃程度であることが副交感神経に働きかけ、リラックス効果が高いようだ。
では、副交感神経が優位に立つと人体はどうなるか。
様々な働きがあるが、中でも血管を拡張させる働きがあることに注目したい。
血管を拡張させるというのは、要するに血圧が下がるということだ。
ちなみに、過去にまとめた「温泉の効果・効能について」の記事はこちら。
お風呂で飲酒をすると何がどうなるの?
結論から言うと、脱水症状・脳貧血になります。
お風呂の中でアルコールを摂取するということは、
- 入浴により血圧降下
- 飲酒により血中のアルコール濃度が上がる
- 体温上昇による発汗
- 更に血中のアルコール濃度が上昇
- アルコールの分解が追いつかず通常より早くお酒が回る
このような流れで脱水症状・脳貧血は進行していくようだ。
なお二日酔いのような直前に摂取した場合ではなくて体内にアルコールが残っている場合にも、同様のことがいえるので注意しなければならない。
そして脳貧血も、程度によっては失神してしまうこともあるのだ。
お風呂場で脳貧血を起こしたら…
頭を打ってしまったり溺れてしまう可能性もあり、結果最悪の場合死に至る可能性も。
そのため、お風呂での飲酒は避けたほうがいいようだ。
本当に一滴も飲めないの?
かといってもやっぱり諦めきれない。
なんとか飲める方法はないの?
と思ってしまうあなたのために、今までの考察から逆説的に考えてみた。
- ぬるめの温度(36度以下、体温上昇による発汗や副交感神経が優位に立つのを防ぐ)
- 度数の低めのお酒かノンアルコール(そもそもアルコールの量が少なければ濃度も上がらない)
- 元々お酒が弱くない(アルコールの分解がきちんと出来る人でなければ通常でもアルコールの摂取は出来ない)
- 疲労時や運動直後でないこと(脱水症状などを起こさないようにするため)
これらは推測に基づくあくまで可能性の話なので、100%大丈夫と断言することは出来ない。
自己責任の範疇になるのかもしれないが、他人に迷惑をかけないようにしたいのと、一度きりの人生を無駄にするようなことがあってはならない。
入浴中の少しの間は我慢して、お風呂上がり休憩をしてから至極の一杯を頂くのが一番良さそうだ。
この記事へのコメントはありません。