温泉と銭湯の違い
有名な観光地には温泉が数多く存在していますが、地元の方が入るような古い銭湯のような入浴施設もよく目にします。
温泉も銭湯も、大人数で入浴しますので同じような意味で捉えている方が多いかもしれません。しかし、実は温泉と銭湯の違いって、きちんと定義されているのです!
ではその違いとは、一体どんな違いなのでしょうか?
温泉は“hot spring”、銭湯は“public bath”
温泉と銭湯をそれぞれ英訳してみると、それぞれ違う意味で表示されました。Google翻訳によると、温泉は“hot spring”銭湯は“public bath”と訳されるようです。
“public bath”は直訳すると「大衆の風呂」という意味になります。確かに、家にお風呂が備え付けられていなかった頃の日本は、銭湯が風呂がわりでした。銭湯で近所の方と交流するのが当たり前の時代でした。
しかし、実際のところ温泉も銭湯と同様に、大人数で一つの風呂に入ります。機能としては同じです。
では、温泉と銭湯の違いとは、一体どこにあるのでしょうか。
温泉の定義は、湧水かどうか
調べて見ると、温泉の定義については「温泉法」という、温泉を保護するために定められた日本独自の法律でしっかりと明記されていました。
温泉・・・地中から湧き出る温水、鉱水及び水蒸気その他のガスで
⑴ 温泉源から採取された時の温度が摂氏25度以上
⑵ 特定の19の物質のうちいずれか1つを有するもの
参照元:http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000125&openerCode=1
e-Gov「温泉法 第一章 第二条」
上記のいずれかの条件を満たしていれば「温泉」と言えるそうです。
この条件でいくと、少なくとも私たちが温泉で有名な観光地で見かける「温泉」と銘打っている施設は「温泉」と定義できます。
では、銭湯はどうでしょうか。上記条件が温泉だとすると、銭湯は「人工的に水道水を温めて作られた入浴施設」と言えます。英訳の通り、家で入る湯船を大人数でシェアするといったところなのでしょう。
「銭湯」でも「温泉」を楽しめる
銭湯と温泉の違いがわかったところで、一つ疑問が出てきました。
比較的新しい大型入浴施設「スーパー銭湯」でも「温泉」という文字をよく見かけます。実際、これは本当に温泉なのでしょうか。
上記条件でいくと、源泉を施設まで運び、その成分がしっかりと基準値に達していれば「温泉」と定義しても問題ないことになります。実際、新宿にあるスーパー銭湯「テルマー湯」という入浴施設は、天然温泉を売りにしています。ここの露天風呂は中伊豆温泉から天然温泉を毎日運搬して提供しているそうです。泉質もきちんと明記されています。(参照元:http://thermae-yu.jp/hot-springs/ テルマー湯ホームページ「温泉施設」)
つまり「スーパー銭湯」の中にも、人工的ではあるが「温泉」は存在できるといえます。しかし人工的に作られる以上、運搬状況などの環境により源泉のすぐ側で入浴するよりは成分が多少劣る部分があるかもしれません。事前にその施設のホームページなどで成分表を確認しておくのがいいでしょう。
温泉の簡単な見分け方
ここまでをまとめると、温泉とは「湧き水であるかどうか」「成分が基準値を超えているか」という条件のもとで定義されることがわかりました。
温泉地では、成分表をきちんと確認し、源泉掛け流しという文字さえあれば、間違いなく温泉だと判断できるでしょう。
銭湯であっても、施設のホームページなどで事前に上記内容を確認しておけば、ちゃんとした温泉水を扱っているかどうかがわかるので、ぜひ確認してみてください。
観光地へ行くのもいいですが、仕事や家庭の都合によりなかなか遠出ができない人は、都内でも天然温泉が入れる施設があるので、一度調べてみてはいかがでしょうか。
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